霞喰人の白日夢

霞を食べて生きていけたら..

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(6)

国際人権団体として有名なアムネスティ・インターナショナル(以下、アムネスティと略記)は、世界各地における人権問題を監視し、調査し、人権に関する不正義があれば、その事実を世界に対して広く訴えることを目的とする非政府組織である。ホームページに…

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(5)

前回も書いたように、国と国とが戦争をすれば、戦争当事国はプロパガンダを流す。それは、独裁国家だけではなく民主主義国家であっても同じだ。国民からの支持を失うと戦争継続が困難になることを考えれば、独裁国家よりも民主主義国家のほうがプロパガンダ…

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(4)

1年半ほど前に定年を迎え,それまでざっとしか見なかったニュースを暇に任せてじっくり見るようになった.するとニュース報道の粗が信じられないくらい次々と見えてくる.コロナウィルス起源やコロナワクチン安全性,治療薬イベルメクチン,そしてウクライ…

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(3)

前回の記事で,2022年2月24日,ロシアがウクライナに侵攻する日まで,ウクライナで何が起きていたかについての事実(と思われること)について書いた.侵攻後の状況については,多くの人の記憶もまだ鮮明で,現在進行中であることから,戦争の全体像について…

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(2)

前回の記事では、ウクライナ戦争に関して、なぜプーチン100%悪玉論に疑問を持ったか、何を見て、どのようにしてNATOやウクライナにも相応の非があると考えるようになったかを述べ、その資料を提示した。今回は、それらの資料からわかる事実に説明を加え、200…

ウクライナ戦争と嘘不感症に感染したメディア(1)

2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。その最初のニュースを自分がどのような状況で聞いたのかは覚えていない。だが、2つの意味で驚いたことは覚えている。1つは単純に、ロシアが堂々と隣国に大規模な侵攻を開始したこと。もうひとつは、米国がロ…

日本は絶対平和への決意を捨てた

このところ,ほとんどの日本人が「二度と戦争はしない」という決意を捨てようとしている,あるいは忘れようとしていると感じる.「一人前の国になる」とか「友達が攻撃されているときに見捨てろというのか」などという素朴な感情を揺さぶるポピュリスト的言…

新聞を読まなければ情報を得られない.新聞を読めば誤った情報を与えられる.

僕らの年代の多くはそうだったと思うのだが,子供の頃から新聞を読めと言われて育った.小学生の頃は4コマ漫画,スポーツ,将棋欄を見るだけだったが,しだいに三面記事を読むようになり,成長するにつれ家庭欄や外報欄,高校に入る頃には一面から一通り,…

殺さないこと,戦わないこと

1960年代から70年代始め,私が子供か少年だった頃,多くの日本人は憲法9条を戦後日本の素晴らしい宝物のように思い,日本もスイスのような永世中立国になりたいと考えていたように思う.まだ個人の海外旅行など簡単にはできない時代だったが,日本人が行っ…

プーチンは悪魔か? 悪魔に妥協は禁物か?

2月24日,ついにロシア軍がウクライナに侵攻した.それまでロシアの侵攻に対して半信半疑だった人々も含め,メディア,評論家,国際政治学者たちは一斉にプーチン批判を強めた.『ウクライナのNATO加盟はロシアにとってレッドライン』『プーチンは何度もN…

ボーイング737MAXと経営者倫理

1月23日,日曜日,朝日新聞の一面トップ記事は紙面の半分を占めた上に,続く二面の2/3を埋めていた.オンラインでは次のURLで読むことができる. (強欲の代償 ボーイング危機を追う)妻子奪った翼、資本主義の病 「金融マシン」化、失われた安全 https:/…

金融機関でのコイン取り扱い有料化

1月17日から,ゆうちょ銀行がコインの預け入れや振り込みをする際に手数料を取るようになった. 以下のサイトから引用する. 【ゆうちょ銀行 硬貨での預け入れや振り込みに手数料 きょうから】 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220117/k10013434661000.…

メリトクラシー

この2ヶ月ほど,ずっとブログはご無沙汰だった.定年の少し前からこのブログを始め,定年後は持て余した暇を潰すために書くというのが実情であったのだが,10月以降,週2回のボランティアと週1ペースの市民講座的なものに通い始めたためか,少しご無沙汰…

Someone You Loved - Lewis Capaldi

ひさしぶりに一人きりで何もせずに過ごす時間がポッカリとできたので,Youtubeで音楽を聞いた.そして今日とりあげるのは,Lewis Capaldi の Someone you loved.かなりのヒット曲らしいのだが,私は今まで聞いたことがなかった. きっかけはLucy Thomasの動…

デマ,検閲,隠蔽,コミュニケーション,そして判断

動画サイトYoutubeがすべての反ワクチンのコンテンツを禁止するという.新型コロナウィルス・ワクチンが危険とか,経口薬のイベルメクチンがコロナに効くという動画が削除されたとの話,あるいはそのアカウントが凍結されたという情報はネット上で散見される…

戦う映画は見たくない

戦う映画が苦手だ.はっきり言えば,苦手というより嫌いなのだ.だから,やたらと戦いが多い最近の映画(私が言う「最近の」は,家人に言わせれば「ずいぶん昔の」ということになるらしい)はあまり好きではない.そしてその意識がどんどん強くなってきた結…

異物混入モデルナワクチンのその後

先月末,異物が混入したモデルナ製新型コロナワクチンを接種した30代の男性が2人亡くなったと報道された.このふたりが受けたワクチンの製造ロット番号は「304734」,どちらも接種の3日後に亡くなったという. 2人の30代男性の死亡記事 https://www.yomiu…

百日紅の花

以下の記事を書いた後,何人かの知り合いに百日紅の話をしてみたところ,「昔からどこにでもあるよ!」,「〇〇にも百日紅の並木があるよ!」という反応ばかり.やってしまいました.花についてまともな知識もないのに,勝手にいろいろ考えて書いたものが以…

無意味さに耐える能力

内田樹が「無意味耐性の高い人たち」という文章を書いている. http://blog.tatsuru.com/2021/08/16_0819.html 今年の広島平和式典で問題になった菅義偉の「原稿読み飛ばし」についてである.たかだか6分程度の原稿を読むのに7ヶ所読み間違えたことにも驚く…

過去の背負い方

今日のタイトルは8月21日の朝日新聞・耕論のテーマの完全なパクリで「過去の背負い方」.記事は過去の行為の責任を問われて東京五輪演出チームを辞任または解任された関係者の例をあげ,過去の責任の負い方について3人の論者から聞いた話をまとめている.だ…

カブール陥落とサイゴン陥落,そして米国の裏切り

今年4月にバイデン大統領がアフガニスタンからの米軍撤退を決めた.一部ではなく,多くの報道は撤退がもたらす結果について心配していたように思うが,実際に米軍の撤退が始まるとタリバンは急速に支配地域を拡大した.そして8月に入るとタリバンの支配地…

五輪での黙祷について -- ヒロシマとミュンヘン五輪事件

コロナ禍の中での東京五輪.2,3ヶ月ほど前まで,新聞社やテレビ局による調査では開催中止または延期を求める声が多数派だった.菅首相が国民の声を無視し続けたまま開催1ヶ月ほど前になると,国民の多くは"開催"という既成事実を受け入れ,有観客か無観…

横浜ホンキー・トンク・ブルース - エディ藩

今日は,横浜ホンキートンクブルース. 初めて聞いたのはいつだったか,誰が歌っていたのかも覚えていない.作詞をした藤竜也が歌うのをテレビで聞いたのが最初だった気もするし,原田芳雄のLPレコードで聞いたのが最初だったかもしれない.いずれにしても,…

スポーツと体罰と気合

私の記憶では,東京五輪の直前まで,テレビのニュースショー/ワイドショーの多くは五輪開催を懸念していた.少なくとも1ヶ月ほど前までは,開催延期や中止を求める番組が多かったのではないかと思う.しかし五輪が始まってからというもの,私の1ヶ月前の…

社会が求める「科学的根拠」

この1,2年,「科学的根拠」という言葉をテレビで聞くことが増えた.だいたいは「科学的根拠に基づかない○○」とか,「科学的根拠に基づいて○○を..する」のようなフレーズの中で使われている.○○には,例えば,「政策」,「判断」,「意見」,「治療」と…

東京五輪開会式に思う

今日も暑い日だった.暑すぎるので外に出る気もせず,昼間は夏休みに行う非常勤講師の準備をし,夜になってからは,東京五輪の開会式を見るともなく見た. もともと五輪もスポーツも好きではない人間なので過去の五輪の開会式の記憶もない.だが,入場行進前…

軍艦島についての記事から

朝刊の片隅に,軍艦島の展示について小さな記事が載っていた.日本の世界遺産の一つ「明治日本の産業革命遺産」に関するユネスコの調査報告書についてだ.報告書は,軍艦島に関する証言の展示が不十分で,見学者がその歴史について適切な判断ができないと指…

男と女

男と女の話は難しい.それは何十年あるいは何百年という長い間,世界中の異なる文化圏で様々な視点から語られてきたからというだけではない.昨今,このテーマは政治臭を帯びているし,LGBTの問題もあって若い人たちの今どきの関心事にもなってしまったから…

入国管理局の悪評

このところブログを書くペースが落ちている.なかなか書く気分になれないからだが,それはたぶん,毎日何を見てもコロナ,コロナ,コロナであるからのように思う.通常は新聞やテレビを見て世の中の何かに違和感を感じたときに自分の考えをまとめようと思う…

ハレルヤ(Hallelujah) - Lucy Thomas

今日のYoutube音楽は,Lucy Thomasのハレルヤ.まずは,その動画を貼っておこう. Lucy Thomasを知ったのは,数年前.Youtubeでたまたま彼女の動画を見て,素晴らしい歌声と透き通るような美しさでファンになった.とはいってもYoutubeで聞くばかりで,アル…