霞喰人の白日夢

霞を食べて生きていけたら..

百日紅の花

以下の記事を書いた後,何人かの知り合いに百日紅の話をしてみたところ,「昔からどこにでもあるよ!」,「〇〇にも百日紅の並木があるよ!」という反応ばかり.やってしまいました.花についてまともな知識もないのに,勝手にいろいろ考えて書いたものが以下の文章です.妄想としてお読みください.

 

             ★    ★    ★

 

今年の4月,新潟・長岡から横浜に引っ越してきた.仕事のため25年前に横浜から長岡に移り,そして定年になって戻ってきたのである.戻ったと言っても行く前の地とは異なる.引越し前は横浜の中程からやや北にいて,今は横須賀市のすぐ北側にいる.

 

pinkandwhite hanamizuki

私は草木については全く疎いのだが,散歩をしていると,ときどき木に咲く花が気になることがある. 横浜ではあまり見る機会がなかったのに長岡でよく見るようになったのは花水木である.それまで,花水木といえば淡いピンクの花びらで中心部のみが白いとばかり思っていたのだが,長岡で真っ白なものがあると初めて知った.

 

white hanamizuki

それから長岡で白い花水木をよく見かけるようになったのだから,ひょっとすると,さきほど「横浜では見る機会がなかった」というのは,単に私が無知であっただけだからかもしれない.私を含めて,世の中にはそうした知識不足による勘違いが数多くあるだろう.

pink hanamizuki

ちなみに,花水木には白の混じらないピンク色の花もあると,この機会に知った.

 

 

 

 

 

sarusuberi-1

夏になって,この町に百日紅の木が多いことに気づいた.駅から自宅マンションに来るまでの間だけでも何本かある.マンションの一本向こうにあるバス通り -- 金沢八景の海が近いからか鰻屋が何件もあるため,我が家ではうなぎ通りと読んでいる -- には,百日紅並木がある.その並木を見て,初めて知ったのが百日紅にも白い花があること.そして,紅にも様々な色合いがあることだ.光加減があるかもしれないが,真紅,紫かかった紅色,ツツジのようなピンク,薄紫,薄桃色.真夏,この街には様々な紅色の百日紅がある.

 

sarusuberi-2

そういえば,子供の頃に育った横浜・神奈川区にも百日紅の木がところどころにあった気もするのだが,これほどたくさんはなかったと思う.社会人になって東京に9年ほど住んだが,東京の百日紅は記憶にない.朝,地下鉄に乗り,下車後は地下道を通ってビルに入る毎日だったし,帰りは早くても夜9時という生活だったから花どころか青い空すらほとんど見ることはなかった.長岡に移ってからは自然に親しむ機会がずっと多くなったが,百日紅をみたことはないような気がする.

 

sarusuberi-3

この街に百日紅が多いのは,おそらく,一山越えた向こうにある鎌倉の影響だろう.この街には,鎌倉時代からある寺もいくつかあるが,その中でも称名寺は北条氏ゆかりの寺院で,隣には北条実時が設けた日本最古の武家文庫 - 金沢文庫 - があるのだ.そして鎌倉には一年中花の咲いている寺がたくさんある.有名所だと,円覚寺明月院長谷寺などだが,「鎌倉 花の見頃ガイド」によれば,百日紅を見られる代表的な寺だけでも,宝戒寺、海蔵寺長谷寺浄妙寺安国論寺、英勝寺があるという.

 

sarusuberi-4

今年は6月に紫陽花を見に鎌倉まで行ったが,間に合えば,夏中に百日紅の花を見に行ってみよう.遅くとも来年の夏には.

 

鎌倉 花の見頃ガイド

https://kamakura-guide.jp/flower-guide