霞喰人の白日夢

霞を食べて生きていけたら..

最初の,そしておそらく今年最後のブログ

霞を食って生きたい 

などというブログを開いておきながら,最初から浮き世の話をするのも格好悪いのだが,今年は,まあ大きな区切りの年だった.というより,大きな区切りの準備となる年だった.25年間この雪国で暮らし,この3月で定年を迎え,生まれ育った横浜に戻る.生まれ育った実家はもうないから,横浜と言っても全く新しいところに住むことになる.それでも,冬,子供の時のように,毎日,関東の真っ青な空を眺めて暮らすことが,僕にとっての大切な夢だったのだ.こちらにいれば定年後もちょっとした仕事があるかもとか,そんなことより,冬,あの群青の空の下で暮らしたい.なにせこの北国では,冬になったら,月に数度しか青空を拝めないのだから.雷は夏ではなく,冬に鳴るものだなんて,25年前までは知らなかった.晴れていることを確認して家を出えたのに,駅に付く前に雨が降り出すことが珍しくないなんて,考えたこともなかった.11月になると冷たい雨が降り出し,12月になると雪がまじり,年の瀬あるいは年初には雪が降り出し,1月中旬か下旬には毎日しんしんと雪が降り続く.はじめは新鮮な経験だったけれど,25年間でそれも薄れた.たとえ霞を食うことになっても,定年後は青空の下の海の近く,そう決めていたのだ.

 

もちろん,都会に広がる新型コロナは心配だ.でも,なんとかなるだろう.それに,若い頃は40歳まで生き伸びればそれで十分だと思っていた.その後は半分余生.そしてこれからは本格的な余生.組織の中で仕事をするのはもうたくさん.人を評価したり,評価されたり,そのことに心を悩ませたりしなくても生きられる.霞だけを食って生きることはできないだろうが,食べるものの半分をカスミにすれば,なんとか遊んで生きていけるだろう.

 

待ち望んでいたその年まであと2日.実際にはあと3ヶ月あるけれど,楽しみ.